I Told Sunset About You
4 personnes ont trouvé cette critique utile
Cette critique peut contenir des spoilers
I told Sunset about you - は今年最後にして最大の傑作の予感がする
ろーんぐろんぐたいむあごー。タイ沼どころかタイBLなんて言葉もなかった頃に「Hormones」という青春群像劇がありました。
GTHという映画会社が制作を行い本国では爆発的な人気を博したその作品に、多数のキャストを送り出していたのがNadaoBangkokというタレント事務所。
GTHが解散した後も、事実上その後継企業であるGDH556とガッツリ組んで仕事をしている印象の多かったNadaoBangkok。
最近ではタレントマネジメントだけじゃなく、音楽だったり、映像制作にも積極的に乗り出しているようです。
そんなNadaoBangkokのオリジナルブランドにして、おそらく初のBLメインのミニシリーズ(全5話)がこの「I told Sunset about you」。
ほぼ直訳するなら「夕暮れに君のことを語った」となりますね。
筆記体の英語タイトルといい「君の名前で僕を呼んで(Call me by your name)」を強く意識したと思われるタイトルです。
と言いつつもこの作品。
チャイニーズマーケットを強く意識してるので、中国のことわざだったりするのかもしれません。
が調べた限りでは、それっぽいことわざは出てきませんでした。
さて、このI told Sunset about you。
インターファンフレンドリーとは決して言えないNadaoらしく^^;
(現時点では)Youtubeで気軽に見れたりはしません。
TharnTypeのスペシャルエピソード同様に米国産の動画配信サービスVimeoのオンデマンドコンテンツとしてインターファンには有償で提供されています。
どん!
字幕は英語と中国語。
そして気になるお値段ですが、一時間強の第一話はおよそ1200円、しかも1ヶ月限定のレンタル扱いとなっております。
僕はどこからもお金もらってませんので、遠慮なく言いましょう。
「高いよ!高すぎるよ!」
これはインターファン共通の感想だったのか、2話目からは600円でレンタルが可能に変更になりました。
全5話なので全部見るなら4000円弱となるでしょうか。
映画2本見てもまだ届かないこの強気の価格設定に二の足を踏んでいる方もいるでしょう。
昔を知ってる人ならNadaoというブランドで「これは見る」って思うでしょうけど。
Nadaoはこの2、3年(というか最初からか?)インターファンの掘り起こしをほとんどやっていないと思うので、キャストも知らんし制作会社もよく知らん、あげく英語字幕の作品に4000円も出せませんよ……。
という気持ちも判らないでもありません。
が!
僕も一話を見ただけです。が!
これはかなりの傑作の予感。
課金しても心の満足度では充分お釣りがくるレベルの作品(なのではないか)と感じますよ!
さて、前置きがえらく長くなりましたが^^;
I told Sunset about you第一話の感想を
Tehは受験シーズンまっただなかの高校三年生。
コミュニケーションアーツ学部への進学を希望していて面接では得意のチャイニーズオペラを披露した(推薦入試のような物だと理解するのがいいようです)。
首尾は上々、バンコクから実家のプーケットに戻るTehは面接で聞かれた親友との事を思い出す。
親友の名前はOh-aew。
5人位の男子グループの中でも、特にOh-aewと仲良くなれたのは「役者になりたい」というTehの夢をバカにしなかったから。
「特に夢はないし飽きっぽいから続かない」というOh-aewは、Tehの夢の実現のために芝居の稽古(という名のチャンバラごっこ)につきあってあげる。
こうして2人は、いつも一緒に行動するようになる。
必然、TehはOh-aewの些細なクセまでも把握するようになっていた。
「嫌な匂いをかいだように鼻をひくひくさせるのは実は背中が痒いだけ。それを知ってるのはたぶん俺だけだったと思う」
と、判りやすい伏線が張られましたが、これが回収される場面ではきっと涙腺が決壊するんでしょうね。
2人の関係に転機が訪れたのは、中国の旧正月が近づいたある日。
やる事になった演物が、Tehが役者を志すきっかけとなった中国の時代劇だった。
「当然自分が主役に抜擢」
と思っていたTehだったが、先生が主役に指名したのはOh-aewだった。
とまどう2人。
Tehは落胆をこらえて、Oh-aewに依頼を受けるように言う。
Oh-aewをまめにサポートしつつも、時折見せるTehの「ガッカリ」した表情と乾いた笑顔がいじましい。
本番中の舞台の裏で、Oh-aewと同じ剣舞を舞うシーンは初回最初の泣きどころ。
「自分がやりたかった」というTehの本音が、セリフではなくアクションで表現されていながらも「いじましいなぁ」「寂しいなぁ」という印象を感じさせるシーンです。
やせ我慢の美学というか。
表舞台に立つOh-aewに向けられた盛大な拍手。
それを舞台裏で聞きながら、わずかに肩を落とすTehの背中もまた寂しい。
ここでかかっているのがクラシックアレンジしたメインテーマ。
アレンジを変えて劇中あちらこちらにかかっては涙腺を直撃してくるこのメインテーマ。
歌詞付きの大元の曲はこちらです。
どん!
Oh-aew演じるPPが歌うチャイニーズ版を貼りましたが、主役Tehを演じるBilkin版もございます。
本家歌手が歌うバージョンもありまして、3つ全て聞きましたが作品全体に漂う「寂しさ」を体現してるのはこのバージョンかな、と個人的には思います。
Tehのアシストもあり、なんとか本番を乗り切ったOh-aewは演技の魅力に取り憑かれてしまい「役者になりたい」と言い出した。
これが嫉妬を押し殺していたTehの気持ちを逆なでして2人は喧嘩してしまう。
明日になれば何事もなかったように元にもどると思っていたのに、それ以降2人は口も聞かなくなって、ついには互いの存在を無視するように。
やがてTehは進学校に転入して2人は会うこともなくなった。
そして現代。
進学校に通うTehには全方位的に可愛い意中の女の子がいる。
Teh本人もわりと真面目な好青年に成長。
先日の面接は上々だったけど駄目だった場合にそなえて中国語の補講を受けようとしていた。
一方のOh-aewは舞台に夢中で自身で劇団を立ちあげる程のはまりっぷり。
親はリゾートホテルを経営していて(プーケットという土地柄がでてますね)暗に継がないのか?と言っているが、彼はTeh同様にコミュニケーションアーツへの進学を希望している。
問題なのは、Oh-aewは中国語の成績があまり、というかだいぶ良くないことだ。
かくして2人は中国語の特別クラスで再会を果たした。
対抗心に燃えているのは2人とも同じ。
という事が後ほど明かされるわけですがTeh目線で語られるこのドラマでは、Teh1人だけが燃え上がってるようにしばし描写されていきます。
くわえて微妙にほのめかされるのがOh-aewと友人Basの関係性。
Basの車で、2人わずかにシートを倒して、しゃべるでもなく、みつめあうでもなく、静かに目をつむって時を過ごす。
かなり心を許していないと成立しない時間の過ごし方だと思うんですよね。
どっちもなのか、どっちかがなのかは一話の段階では判りませんが、まぁ「ただの友達」以上のなにかがあることを感じさせます。
無視を決め込むOh-aewに、対抗意識を燃やすTeh。
険悪な空気が変わるのは先日の試験結果発表の日。
Tehは見事合格を勝ち取る一方で、Oh-aewの名前はリストには乗っていなかった。
かって親友だったOh-aewの落ち込む姿を見て、後を追うTeh。
平凡な17歳、18歳にとって人生最初にして最大の敗北感に打ちのめされているOh-aewは当然^^;
追ってきてほしくない。
追いつく前から号泣5秒前と言う表情で、追いついた瞬間「これで満足かよ」と号泣モードに。このタイミングで「ママ」から電話がかかってくるから、なおのこと惨めさに拍車がかかる。
ちなみにハッキリ言及はされてないのですが、Tehが追いついたこの場所は彼らが仲違いした場所と同じ場所ではないかと思います。
「ほっといてくれ」
と言われたのに、Tehは彼をほっておけない。
2人が親友だった時に過ごした浜辺にいってみると彼は1人そこにいた。
「合格するには点が低すぎる」とあてこすったことをまず謝って、それからずっと心にひっかかっていた仲違いした
時の事を「謝りたくて」とTehは切りだす。
眉間に皺を寄せながら黙って聞いていたOh-aewが、わずかにクシャッと顔をゆがめた後に泣いてるんだか、笑ってるんだか判らない表情で、うんうんとうなづく。
いかつい顔をグシャグシャにゆがめて泣くTehとの対比。
彼らの背後に広がる海の信じらんない美しさ。
そして芝居にバッチリあわせてOSTの効果は絶大で、爽やかな涙がこぼれます。
ブログ書くために、ここだけ(3回くらい)見てもまだ泣けますね。
こうして2人は長い対立の日々を終える。
こっから恋に発展するのは次回以降のお預けだ。
一話の終わり方のかっこよさもサイコーだ!
待て次号!
Cet avis était-il utile?